次世代の鳶職をめざして 〜継承と革新〜

　私は、工務店を営む家に生まれ、小さいころから父が庭で材木を切ったり、削ったり、組み立てたりをしている姿を見て育ってきました。縁あって先代の社長と出会い、父と同じ職人の道を歩むことになりました。職人になり、長い間現場で働く中、色んな技術を学んでまいりました。そして先代から社長を譲り受け、代替わりをするにあたり意識したのは、諸先輩方の技術をしっかりと継承するということです。それまで積み重ねてきたものが、人から人への流れで劣化したのでは、良い仕事はできません。設立以来掲げているのは、安全意識の徹底と、建物精度の追求です。言葉にすれば当たり前のことかも知れませんが、それを続けていくことが、信頼に繋がると確信しております。
　私自身が鳶職人でもありますので、その就労環境には、長らく危機意識を抱いてきました。いつまでも前時代的な雇用形態を引きずっていたのでは、いずれ取り残されてしまうと考えていたからです。せめて弊社に勤める者はと、内部で鳶職の働き方改革に着手し、今では取り組みとして、外部に発信できるようになりました。
　建物は一社だけの作業で完結する工事ではありません。縦の繋がり、横の繋がり、協力会社との連携があってこそ成り立ち、遂行できる業務です。おかげさまで、建物精度の良さに定評があるというお声を得られるところまでたどり着きました。これからも、良いと思うことを続け、良くないと思うことを改善しながら、より良い仕事ができるよう努めてまいります。

代表取締役　阿部 浩之